Last updated: November 16, 2024

2024年9月19日頃より、一部のお客様においてアプリにサインインができなくなる申告が当社に寄せられております。

(全てのお客様が対象ではなく、当社の開発環境上でも発生するケースと発生しないケースがあります)

最新情報 / 経過

  • 2024/09/19 お客様からの最初の申告をいただく。この時点では個別の障害と認識
  • 2024/09/20 調査開始
  • 2024/09/21 Google側の予告ない仕様変更により現象が発現している可能性を確認。しかし当社環境で再現せず
  • 2024/09/24 当社環境での再現に成功。解析開始
  • 2024/09/30 当社以外のGoogleサービスを利用するAndroid TVアプリでも同様の現象が発現していることを確認
  • 2024/10/03 解析結果からGoogle側で告知の無い仕様変更があったことがほぼ確定。(詳細は下記にて)
  • 2024/10/04 GoogleがTV系OSでのGoogleドライブ等のサポートを打ち切ったようだが、独自実装での回避を検討
  • 2024/10/09 独自実装による現象の回避について、試作を開始
  • 2024/10/15 試作の最初のバージョンがGooglePlayの認証を通過。検証開始
  • 2024/10/19 独自実装を行った最初のバージョン (V.2.7.1) をリリース
  • 以降、約1ヶ月間の経過観察において、サインインに関する独自実装がひとまず問題なく機能していることを確認

現象

Android TVでアプリを利用されている環境で、「サインインできませんでした」と表示され、アプリが起動できない。 outage_singin@202409v2.6.4

該当する環境

*お客様のご申告 および 当社開発環境での確認状況からの推察です

  • Android TV version 11 以下 (スマートフォンやタブレットは本影響の範囲外と見られます)
  • ご使用のアカウントが "Credential Manager *" のみを使用するよう、Google内部で切り替えられてしまっている *対象のアカウントかどうかは利用者側で判別することが困難。また、2025年を待たず、現行の認証法式を段階的にGoogleがサポートしなくなったことについて、観測する限り現在に至るまで一切の公式発表はありません。

また、本件は当社アプリだけでなく、Android TVからGoogle DriveなどGoogleのサービスへアクセスする、全てのアプリケーションで広く現象が観測されております。

*2023年にリリースされたGoogleの新認証方式。現行の方式は2025年にAndroid (Play Services Auth SDK)から削除,廃止予定

お客様側での一時的な対処

Android TVを初期化することで、一時的(かどうか不明ですが)に解消される場合が希にございます。

当社側での根本的な対応

当社製品はAndroid OSと、GoogleのクラウドAPIの機能を利用し、機能を実現しています。また、これらの利用にあたりガイドラインに準拠し、審査、認証を受けています。

しかし、Googleがスケジュールを遵守せず、ユーザに告知しない形で突如仕様を変更したことが原因だとすると、当社はアプリケーションの大部分を再開発することとなり、早期の解消は困難です。

Googleの認証基盤担当の責任者 Ali Naddafは、Android TVアプリ開発者コミュニティでの問い合わせに対して、"Sign-in using CredentialManager should work. Authorization, however, is not supported on TV platform." と、現行の認証法式を、公式の予定より早く段階的にGoogleがサポートしなくなったことについて認める発言をしています。また、今後Android TVやGoogle TVなどのTVプラットフォームでは、Googleの新たな認証/認可についてサポートを打ち切ったことを示唆しています

当社はお客様の利益を第一に考えます。この短慮なGoogleの対応について抗議すると共に、突然サポートを打ち切られた機能について、独自の実装を進め、再びアプリケーションを使用できるよう、大部分のプログラムの再開発に着手しています。

お客様におかれましては、再びご使用いただけるようになる期間を御約束できず心苦しいのですが、本ページにてアップデートを追記させていただく予定にしております。今暫くお時間をいただけますようお願い申し上げます。

また、お客様からもAndroid TVのヘルプのフィードバックなどから、Google社へ経緯の問い合わせや抗議をいただくことも、もはや事態の解消や再発の防止には有用かと思われます。皆様の声をGoogleに届けていただきたいです。

当社側での今後の対応、ロードマップ

Android(TV)とGoogleドライブという、いずれもGoogleのサービスを組み合わせることで、安価で気軽にサイネージを実現いただけるアプリを開発して参りましたが、まさかこのような形でGoogleの不誠実なユーザーに対する裏切りに遭うとは想像していませんでした。

また、Googleから公式な仕様変更の公表もなく、アカウントや環境により現象が異なる状態であったことから、再現環境の構築や原因の特定すら長期間に渡ることとなり、結果的にお客様にご不便をおかけいたしましたことを心よりお詫び申し上げます。

今回はまず、今までアプリをご購入いただいた皆様の為に、再開発を進めて参ります。

その後につきましては、今回のような事態も想定し、複数のクラウドサービス(Dropboxなど)への対応や、Android向けに留まらず、Kindle Fire等のバージョンなど、よりGoogleへの依存度を下げた別アプリのリリースなどに取り組んで参りたいと考えております。

「デジタルサイネージを民主化する」ことをコンセプトに、ここまで沢山のお客様のご賛同を頂いて参りました。 大変ご不便をおかけしており、申し訳ありません。しかし、必ず、お客様と共に、この難局に立ち向かって参ります。

続報をお待ちいただければ幸いです。

ハッピーコンピューター株式会社
クラウドサイネージチーム 一同